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【レポート】学生たちが、水口宿のまちづくりデザインを考える、シャレットワークショップが開催。
- 2023/9/14
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今月の広報こうかに載っていた「水口宿のまちづくりデザインを考えます!シャレットワークショップ開催」というイベントへ行ってきましたので、その内容をダイジェストでレポートしておきたいと思います。
私が見てきた当日の内容を整理して書いていきます。
(当日は、話を聞くのがメインで細かくメモを取ったり録音ができなかったので、かなり内容的に抜粋レベルで、趣旨などもズレていたりするはずですが、私の記憶に残ったものを書きますので、あらかじめご了承ください)
コンテンツ
「水口宿のまちづくりデザインを考えます!シャレットワークショップ開催」とは?
当日会場入りしてみると、すでに広い会議室に大勢の方々がおられました。
部屋の後方では、まだ主役の学生たちの作業が続いているようで、発表ぎりぎりまでの調整しているようでした。
そのほか、生徒を指導する各大学の先生方、市役所の担当職員の方達、市会議員と思われる方が少し、今回のデザイン提案がされる町の当事者と思われる方、私のような完全な傍聴者、そして市長…と、様々な方がおられます。
ちゃんと説明を聞いたわけでは無いのですが、今回のワークショップの概要は…
・全国の専門分野の大学生が甲賀市に集まり、5つのグループに別れて水口宿のまちづくりに取り組む。
・会期は5日間。まず行政の説明を受け、実際に町の当該地域を歩いて見て回り、当事者にヒアリングする。
・その情報を持ち帰り、まちづくりデザインの提案作成に入る。
・途中、中間発表を設け、問題点など洗い出し、さらに考察を深める。
・最終日、関係者を集めて最終発表。
とこんな流れだったのではないでしょうか。
企画の都市計画課都市基盤整備室の説明を見ると…
開催期間:9月6日(水)~10日(日)
・中間発表会 9月8日(金)15時~17時30分
・最終発表会 9月10日(日)14時30分~17時(※いずれも観覧無料、入退場自由)
開催場所:まちづくり活動センター「まるーむ」
となっています。
この取り組みは、全国各地で2005年から行われており、今回の水口宿のワークショップで、17回目だそうです。
参加大学は11校、学生・院生?は24名、講師は15名。
「シャレットワークショップ」とはどういう意味かというと、
フランスの大学生が、設計課題の提出日に荷馬車に図面を積んで学校に来る様子から、短期間に集中的に行う演習を意味するようになったと言われています。
専門家が、短期間に集中して活発な意見を交換して成果を出すことで、いい結果が期待できる…というのが、このタイプのワークショップをやる目的だそうです。
イントロダクション
まず、この5日間学生が取り組んでいたことが簡単に説明されました。
ここへきている皆さんは、やることがわかっているせいか、このワークショップのお題や目的が改めて説明されるということは無かった気がします。
なので、私はテーマが何なのか?観光?住みやすさ?空洞化?住民サービス?市民活動?…想像しながら見ることになりました。
想像すると…テーマは、「水口町の旧市街地、近江鉄道・石橋駅周辺の空洞化?に対してどういう街づくりができるか?」という感じだったと思います。
この地域を、5つのエリアに分けてそれぞれ担当のグループが、街づくりプランを考えます。
発表1・あみだすじ
この発表では、三筋の道をお題にした街づくりプランの提案。
三筋の道は、かつて昭和の時代に栄えた商店街でした。ですが、西友移転、平和堂開店などがあって次第に商圏が西に移った結果、人の流れが無くなってしまったエリアです。
その名残で、元店舗や廃業した敷地などが残っており、ちょっと廃れた雰囲気があるのも否めません。
このエリアを活性化?再活用?するプランの発表です。
・三筋の道同士の行き来がしにくいことに着目。これをつなぐ縦の路地を設置する。
・エリアのあちこちに駐車場を作る。
・映画館、銀座マーケーット跡地の再活用。路地パーク。
・ターゲットは、東海道を行く人、北側筋を行く人、登下校の小学生。
・路地パークには、花壇、トイレ、ミニシアターを設置する。
これらによって、人の流れと理由を創出してエリアの活性化を促す。
発表2・西で繋がるプレーヤー
旧東海道・藤栄神社以西のエリアをお題にした街づくりプランの提案。
このエリアも、人の流れがなくなってしまった現在。
そこで、今ある素材をピックアップして次の展開につなげるようなプランの発表です。
・このエリアにいるプレーヤー(花屋・ミュージシャン・FM局)。
・このプレーヤーを通して、周辺の住民コミュニティーを繋いで行き、活気を取り戻す。
・そのために、公民館にイベントスペースを設置してプレーヤーからの発信を促進する。
・プレーヤー同士が交流できるスペースの設置。
発表3・地域住民が彩る街のリビング
水口西保育園と周辺エリアをお題にした街づくりプランの提案。
・現在この中心エリアが公園と更地?となっているが、利用があまり無い。
・このエリアには、4つの保育所、3つの小学校・高校がある。
・ターゲットを子育て世代を中心とした地域住民。
・見守り合う住民同士の緩やかなコミュニティの場所にする。
・そのために、公園・更地を再整備。児童クラブ、緑の公園、カフェ、アトリエ、遊具、子育て支援センター…を設置する。
発表4・新しいまちの交通手段とまちの駅の提案
水口町の市街地を対象とした、新しい交通手段と交流プランの提案。
・近江鉄道・石橋駅を中心に新しい交通網を構築。
・クリーンでスローなグリーンモビリティの導入。
・街中を巡回し、市民や観光客が自由に利用してエリア内の人の流れを活性化させ、ひとを呼び戻す。
・石橋駅周辺の再開発。
・駄菓子屋、子ども食堂、八百屋、ものづくり、カフェ、交流広場、駐車場…を設置。
発表5・水口石橋駅を核とするまちの拠点整備
水口石橋駅を中心に据えた、周辺エリアの再開発・再利用プランの提案。
このエリは、かつて栄えた商店や雰囲気が残ったままになっている。
この雰囲気をレトロなエリアとして再構築しようという企画。
・石橋駅と周辺のリニュアル工事。
・解放的なホーム、スロープ設置…。
・三筋の道から駅までの道路のまばらな舗装を石畳に施工して駅へ誘導する。
・旧山川書店の再利用。
・歴史を引き継ぐ。持ち込み古本屋、シェキッチン、ラウンジ、ゲストハウスに。
・旧マスデン店舗の再利用。
・勉強室、キュ競女、サイクルポート、シェシェルフ、観光案内所、図工室、ギャラリーの設置。
・これによって、学生、駅利用者、市民、観光客が訪れる場所になる。
まとめ
たった5日間で、予備知識も何も無い水口のことを調べ、これだけのまちづくりプランを提案するというのはたいへんなことだと思いました。学生さんたちお疲れ様でした。
会場には、地元のこういった町の活性化プランに詳しい方や当事者の方も来ておられて、実際の事情やさらに詳しい質問なども飛んでいました。
私は、このようなプランがいくつも出ることはいいことだと思います。
それが実現可能だろうが不可能だろうが、地元の人間が制約に縛られた条件でプランを作るのとは決定的に違うものが出てくる可能性を秘めていると思うからです。
そんな、新鮮なプランも取り入れながら地元の当事者は考えていけばいいのです。
今回、こういう空洞化したエリアの活性プランというのは、初めて考えることになりました。
それで、全く素人なりに感じたことを最後に書いておきます。
・このエリアに誰を呼び込もうとしているのか?住民も観光客も移住者も…ってターゲットを欲張りすぎている気がして、そうするとどれも中途半端になるのでは?という懸念がある。
・人が来るようになる…ということは、それまでやっていた何かをやめて、こちらに来てもらうことで、その競合と競えているか?を織り込まないといけない気がする。
・スローコミューターは誰のため?観光?市民?そもそも、ジブリパークのような場所でないと成立しないのでは?と感じる。一買うならミホミュージアムにあるけど、あんな運用。
・レトロなエリアに観光・買い物等でひとの流入をさせようとすると、その地域の商店はもちろん一般住民あげて受け入れの体制で望まないとだめなのでは?という気がする。これは中崎町や醒ヶ井・地蔵川、日野町・旧市街などを訪れると、いつも漠然と感じること。
こんなところです。
街を活性化させる取り組みは、普通の人はそんなことまでやっていられない…というのがリアルでしょう。
なので、時間を使ってそれに注力してくれるひとがいるだけで感謝の気持ちが生まれます。
今後とも、こういった取り組みを続けていただければと思うのでした。
この記事を書いた人
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地元甲賀内から県内で印刷・web制作、写真撮影などをしています。デザイナー、写真愛好家。
2000年からホームページ・ブログを開始、写真、デザイン、地域...について発信を続けています。ここでは、甲賀市の面白いことを取り上げて記事にしています。特に文化・芸術・カフェ・地域振興のことが多めです。
FUJFILMのカメラ愛好者。PHaT PHOTO100Point達成。
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